介護保険制度の創立
介護保険制度の狙いとは
従来の制度を編成し、介護を社会全体で支える。
社会保障構造改革の第一歩としても位置づけられる介護保険制度は、2000年に施行されました。
介護保険制度の狙いは、高齢者介護が老人福祉と老人医療に分立していた従来の制度を再編成し単一の
手続きで利用者負担・利用者の選択により、総合的に利用できる仕組みを構築することにある。
介護保険制度の特徴
福祉、医療のサービスを自らの選択により、単一の手続き、利用負担で総合的に利用できる。
利用者本位の制度
サービスの利用は事業者と利用者の契約によって行われます。
総合的・一体的・効率的なサービス提供
ケアマネージャなどが中心となって、利用者のニーズに基づいた介護サービス計画を作成し、各サービス
事業者などとの連絡・調整を行う介護支援サービスが制度に導入された。
社会保険方式による効率的で公平な費用負担
社会保険方式により、保険料の使途が介護費用に限定され、保険料負担と給付の対応関係が明白です。
また、受けたサービスに見合った応益負担が基本となるので、利用者負担の不均衡が是正されます。
民間活力の活用
措置制度では、市町村がサービスや事業者を決定してきましたが、介護保険制度では、民間企業や市民参加
の非営利組織など、多様な事業者の参入が可能です。
高齢者本人が被保険者
高齢者本人を被保険者とし、無理のない範囲で保険料や利用料の負担を求めることで世帯間の負担の不均衡
を是正します。
介護保険制度の目的
要介護者等が、尊厳を保持し、自立した日常生活を送ることができるよう、必要な介護サービスを提供する
介護保険法第1条では、介護保険制度の目的は、要介護者等が、「尊厳を保持」し、またもてる能力に応じて
「自立した日常生活」を送ることができるように、必要な保険医療サービスおよび福祉サービスの給付
を行うため、、国民の「共同連帯の理念」に基づいた介護保険制度を設け、「国民の保健医療の向上および福祉の増進」
を図ることにある。と規定しています。
保険給付の理念
迅速な介護支援により、要介護状態・要支援状態の軽減、悪化の防止を図り、在宅における自立を支援する。
介護保険は、被保険者が要介護者等の状態になったとき、保険給付を行うものです。
迅速な介護支援、及び介護状態等の軽減
高齢者が要介護状態や要支援状態にならないよう、予防を重視します。また要介護状態や要支援状態
になった場合は、その状態を軽減したり悪化を防ぎ、できるかぎり迅速に介護支援を行います。
在宅における自立支援
高齢者の多くが住みなれた家庭や地域で自立した生活を送りたいと願っていることを踏まえ、在宅介護を重視
しています。このため、保険給付の内容や水準は、被保険者が要介護状態になっても、可能なかぎり在宅で
自立した生活を営むことができるように配慮されています。
医療との連携
介護保険の保険給付には、これまで老人保健制度や医療保険によって給付されていたサービスも含まれるため、
医療との連携に十分配慮します。
国民の努力および義務
国民は、健康の保持・増進に努め、介護が必要になった場合は、進んで能力を維持・向上させる。
社会保険とは
社会保険は強制適用であり、低所得者でも加入が可能
社会保険と社会扶助
社会保障制度は、社会保険方式と社会扶助方式に大きくわけることができる。
社会保険の特徴
保険制度とは、被保険者に保険料を広く公平に分担してもらって共同基金をつくっておき、被保険者に保険事故が
起きた際に、その基金から給付を行う仕組みです。
社会保険の特徴
- 国民の生活保障・・・疾病や死亡、老齢、失業など生活を脅かす事態に対し保険給付を行い、生活を安定させる。
- 個別的な収支対応関係が成り立たない・・・個人ごとの保険料の額と保険給付の額が比例しないことが多い。
- 強制適用・・・逆選択を防止、低所得でも加入が可能
- 営利性をもたない・・・保険者は国または地方公共団体や公法人
- 選択性をもたない・・・保険料と保険給付を法定化
- 財源・給付の一部に国庫負担、事業主負担がされることがある。
保険の分類
介護保険は短期保険であり、地域保険である。
医療保険・・・疾病、負傷、死亡などを保険事故として、医療給付を行う。
年金保険・・・老齢、障害、死亡を保険事故として、老齢者、障害者、遺族の所得を保障する。
雇用保険・・・失業などを保険事故とする。
労働者災害補償保険・・・労働者が業務上の理由により傷病、死亡した場合に医療給付と所得保障を尾行う。
介護保険の実施状況
要支援・要介護1の認定者の増加が著しい
被保険者数、要支援・要介護認定数
被保険者数は65歳以上の第1号被保険者が2,594万人で介護保険制度施行時から約429万人増加しています。
また、第2号被保険者数は4272万人となっている。
要介護認定・要支援認定を受けている数は、約435万人で制度施行時の約218万人から217万人増加している。(2006年4月)
特に、要支援・要介護1の認定を受けた人の増加が著しいのが特徴です。
介護サービスの利用者数とサービスの利用状況
介護サービスの利用者数は342万人で、制度施行時の149万人から約193万人増加している(2006年4月)
特に居宅サービスの伸び率が大きくなっている。
サービスの種類別では、訪問介護、通所介護が目立って伸びている。
要介護度別利用状況
要介護4、5では、サービス利用者の半数以上が施設サービスを利用している(2006年4月)
介護度が高くなるほど、施設サービスを利用する割合が高くなっている。
居宅サービス事業所の状況
居宅サービス事業所を開設主体でみると、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護では社会福祉
法人が多く、訪問看護ステーション、通所リハビリテーション、短期入所療養介護では医療法人が多くなっています。
訪問介護、認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護を行う事業所は営利法人が多くなっています。
介護給付費の支払い状況
介護サービスの費用は年々増加しており、介護総費用は2000年度3,6兆円から2006年度予算では7,1兆円となっています。
また、介護給付費は4538億円、利用者総数は345万人で、その内訳を見ると利用者総数の約4分の1である施設サービス利用者
が介護給付費の50%を使用しています。(2006年4月)